映像制作の手順を各工程のポイントと合わせて解説
ここ数年、YouTubeや動画広告が注目されており、映像制作に興味を持つ人や映像クリエイターを目指す人も増えてきています。
しかし、映像をつくるといってもどのような流れで進めていけばいいのかわからないという方は多いでしょう。
映像制作の流れを理解することでスムーズに作業を進められ、効率的に映像作品をつくることができます。さらに各工程のポイントを抑えておけばミスも減ります。
その結果、たくさん人たちに観てもらえる映像作品をつくることができるでしょう。
この記事では、映像・動画制作の基本を学びたいという方に向けて、映像制作の手順を各工程のポイントや注意点と合わせて解説します。
- 映像制作・動画制作に興味がある
- YouTubeで動画投稿をしてみたい
- 映像クリエイター・動画編集者を目指している
映像制作はどんな流れで進めるのか
映像をつくる手順はおおまかに7つの工程があります。
- 企画(どんな映像作品や動画をつくるのか)
- 作品構成(企画であがってきたものをより具体的にする)
- 撮影準備(撮影に必要な機材などの準備をする)
- 撮影(作品に必要な映像素材を撮る)
- 編集(映像素材を繋いだり、テロップやエフェクトを追加したり)
- マルチオーディオ(BGMや効果音の追加や不要な音を排除など)
- 最終確認・完成
企画を考える
映像制作では、まずはじめに企画を考えます。この工程では「どんな作品を撮るのか?」や「どんな話の流れにするのか?」といった作品の内容や構成を考える作業です。
そのほかにも、その映像で「何を一番表現して伝えたいか」というテーマや目的も探していきます。さらに、作品をつくるのに「必要な費用」や「どんな人たち」に観てもらいたいか、といったことも一緒に考えます。
ここでのポイントは、決まった事項はその都度ノートやテキストアプリなどにまとめておくことです。
映像制作に関わる人たちの共通認識として、作品の軸がずれないようにするためにも、決まったことを企画書としてまとめておくことをおすすめします。
企画書は道に迷ったときの”地図のような存在”になるので、必ずまとめておきましょう。
作品の構成を考える
作品構成では、企画で決めた内容を深堀りして、より具体的にしていきます。
「いつ、どこで撮影するのか?」「どのくらいの長さの作品にするのか?」など、より詳しく考えて企画で上がってきたものにどんどん肉付けしていくイメージです。作品のテーマやターゲット層についても熟考していきます。
それから、映像作品としての軸も考えていきます。そうすることで、どんなことにフォーカスして映像をつくっていけばよいかが見えてくるので大事なポイントです。
誰に? | その映像は誰に向けて発信したいか?(どんな人に見てほしいか?) |
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なぜ? | なぜ視聴者さんはその映像を観るのか?(観る人にどんな価値を提供するのか?) |
何を? | その映像で何を一番伝えたいのか?(作品のテーマ・目的は?) |
話の流れは? | 撮影シーンやカット割りをどうするかなど、具体的な話の流れを決める。 |
どこで? | 撮影する場所はどこにするか?(ロケーションはどこ?) |
いつ? | 撮影はいつにするのか?(撮影の日取り) |
尺はどのくらい? | 何分ぐらいの動画にするのか? |
どう心を動かすか? | 映像を観た後、その人にどんな行動をして欲しいのか?(料理動画なら、みんなにも作って欲しいなど) |
撮影の準備をする
企画や作品構成が決まったら、次は撮影の準備に取りかかる段階です。
この工程では「本当に撮影が可能なのか?」という調査や、お店の中での撮影であれば撮影の許可取りなど実際に撮影できる環境を整えていきます。
たとえば、あなたがYouTubeで動画を投稿するのなら、撮影に必要な物を購入したり、撮影機材の準備など撮影に関わることを準備します。
「カメラは何台で撮るのか?」「何か撮影に足りないものはないか?」といったことを確認し、必要に応じてそれらに対応します。
ほかにも必要な機材を配置したり、「ホワイトバランス」「シャッタースピード」「絞り」などカメラの設定に問題がないかを確認しておくことも重要です。
駆け出し動画クリエイターでよくある失敗として、「音が入っていなかった」「シャッタースピードが合っていなくてもチカチカしてしまった」ということがあるそうです。
そういった失敗がないように、撮影前に「音はちゃんと録れているか」などの細かい部分まで確認しておきましょう。
撮影
撮影の準備が整ったら、実際に映像を撮影していく工程に入ります。
撮影ではハプニングや失敗もあるでしょう。その時々で状況が変わってきます。
もし、想定外のことが起きてもカメラは回しておくことをおすすめします。のちに、それが面白いアクセントになる素材になりうるかもしれませんから。
想定していないことが起きても話の流れを考えながら「どう終わらせるのか」という、いわゆるオチを意識して撮影することで、よい撮影素材を集めることができます。
良質な撮影素材を集めるときのポイント
良質な撮影素材を集めるときのポイントは、撮影の段階からある程度、作品の完成形をイメージしておくことです。
完成図があることで、どんな映像を撮影しておけばいいのか明確になります。
例えば、夕飯の買い物に行くとしても、ただ漠然と買い物に行くよりも「今日は肉じゃがにしよう」と目的(肉じゃがという完成図)があったほうが、必要な材料(撮影素材)も集めやすいですよね。
つまり、撮影するにしてもただ漠然と撮影するのではなく、目的意識を持って撮影に臨むことで必然的に撮るべき素材が見えてくるのです。
その結果、撮影自体もスムーズに進めることができます。
編集
撮影が終わり、撮影素材が集まったらいよいよ編集の工程です。しかし、すぐに編集に取り掛かるわけではありません。
編集作業に入る前に撮影した素材をすべてチェックしていきます。どの撮影データにどんな素材があるのかを把握しておくで、よりスムーズに編集ができるからです。
撮影データの確認は大変な作業ですが、編集準備としてどんな素材があるかを把握しておくことはとても大事なことです。
撮影素材をチェックしたら、必要な素材を抜き取り、編集素材としてファイルにまとめておきます。
ここまでの作業が編集の前の準備です。何事も入念な準備があるからこそ、良いものが出来上がるのだと思います。
それではいよいよ編集作業に取り掛かりましょう。
編集では、その作品を「どのように終わらせるのか」を考え、映像を創り上げていくことが肝心です。映像制作において話のゴールを意識し、そこにたどり着くために逆算して話を構成していきます。
つまり目的地というゴールを目標に、どういう道筋で進めば「伝えたいことが伝わるか」と目的地までの経路を決めていく作業が編集というわけです。
繰り返しになりますが、編集の段階で「こんな画を撮っておけばよかった」と足りない素材に気がつくこともあるでしょう。
そういうときは可能な限りは追加で撮影することをおすすめします。もし、追加撮影できない場合は手元にある素材をうまく活用して編集するしかありません。
そうならないためにも、撮影の段階でたくさんの素材を撮っておくとことがベストです。
MA(マルチオーディオ)
編集作業が終わったら、映像に効果音や音楽、ナレーションなどを付け加え、映像がより引き立つようにしていく作業に移ります。いわゆる「音入れ」という作業です。
そもそもMA(マルチオーディオ)とは、音の調整や音声の収録など音声素材の編集のこと。
映像に音楽や効果音を追加したり、不要な音を排除したりする作業を総称して「MA(マルチオーディオ)」と言います。
また、ナレーションやセリフなどの録音もこの作業に関連します。
たとえば、ドラマやドキュメンタリー番組での音声・ナレーション編集やバラエティ番組でのBGM・効果音編集などがこれにあたります。
映像で使用するすべての音(セリフ、効果音、音楽、ナレーションなど)をこの工程で調整し、映像の完成度を高めていきましょう。
映像に深みを出すためにも、音づくりの作業はとても重要です。
最終確認・完成
出来上がった映像を最終確認し、修正がある場合はそれを直して、ようやく完成です。
完成したら映像を状況に合わせて書き出しましょう。
まとめ
映像制作のワークフローを理解することで、無駄のない効率のよい映像制作が可能です。
さらに各工程におけるポイントを頭に入れておくことでミスもなくなるでしょう。結敵によりよい映像作品を創り出すことに繋がります。
入念な準備とベストを尽くす努力を怠らなければ、きっと良い作品が生まれるはずです。